●伽藍
正門にあたる境内南側の朱雀門は常時閉じられており、西側の御殿門から入る。城郭を思わせる寺周囲の石垣、白い土塀、門構えなどが門跡寺院の風格を示している。境内北側には宸殿、客殿とそれらを囲む有清園、聚碧園と呼ばれる池泉回遊式庭園がある。南側は、瑠璃光庭と呼ばれる杉苔でおおわれた庭園の中に往生極楽院が建つ。
宸殿−1926年(大正15年)の建築。中の間には本尊の秘仏薬師如来像、西の間には木造救世観音半跏像(重文)、木造不動明王立像(重文)などを安置する。東の間には下村観山の障壁画がある。本尊薬師如来像は非公開だが、2002年9月8日〜10月8日に開扉されたことがある。
客殿−慶長年間(17世紀初)に建て替えられた旧御所の旧材を用いたものである。障壁画は竹内栖鳳など、近代日本画の巨匠が担当している。
往生極楽院(重文)−入母屋造、杮(こけら)葺き、妻入(屋根側面が三角形に見える側を正面とする)。内部は船底天井(船底のような形状に板を貼り、中央部を高くした天井)として、中尊の像高2.3メートルの阿弥陀三尊像を堂内の空間一杯に安置する。平安時代末期、12世紀の創建だが、江戸時代の1616年(元和2年)に大幅な修理を受けており、建物の外回りはほとんど江戸時代のものに変わってしまっている。